2012-01-01から1年間の記事一覧

生命の増殖とカンブリア

生命の多様性という言葉を遡って最も想起するのが容易であるのは、その現在に至る進化の過程において不可思議と特異性に満ち、また「生命のビックバン」と呼ばれるほど爆発的な生態系の変貌、増加に至ったカンブリア紀ではないだろうか。 アノマロカリス、サ…

科学史への問い6

科学史という分野は教育的学問であるという所感を持つ。 本来、科学というのは一つの事実であり、科学という分野における絶対的な正解である。 しかし、その絶対的すぎる性格ゆえに、理解しなければいかない側がついていくことができないという、独走的な性…

科学史への問い5

また、実例を取り上げるのは、プロセスそのものを教えることができるという点でも教育的価値があるいえるだろう。 理論はともかくとしても、考え方という点においては教えることが困難であるし、個性という壁で割り切られてしまう。 経緯に基づいてこういう…

科学史への問い4

さて、ここまででそもそも理科とは理解のための科学におけるその一部なのであるという考えに到達した。 理科にとって本来大切なことは、学問の内奥ではなく理解することにあるのだ。 科学史という分野はまさに理解するという観点で論ずると、非常に大きな役…

科学史への問い3

しかし、それは理解するという観点においてはいささか困難な事象であるということは否めないであろう。 それは小学生に専門書を読めといっているのと同じことだ。 記憶は可能かもしれないがそれは機械的なものでしかない。 理解あっての記憶ではないのだ。 …

科学史への問い2

科学という学問が、学問全体を通してどのような位置に位置付けるべきかを考え、私自身の科学という学問に対する位置づけを明確にする必要がある。 科学は、あくまで「学」という大きな概念の一分野に過ぎない。 より根源的な意味での学問は、根源的であれば…

科学史への問い1

歴史という時間軸は相互方向にあるものではない。 常に未来から過去に向かって走らされている時間軸である。 過去という、過去においては現在という時点において未来を空想することと、未来から過去を空想することとは全く別個のものであるという認識が必要…